宮城県前衛芸術資料室

昭和の宮城県の前衛芸術関連情報を公開します。

2024年更新履歴


更新日

更新内容

2024年3月12日

・「糸井貫二(ダダカン)関連資料3(1996-2021年発行/発表分)」に10点の資料情報を追加。

2024年2月29日

・「糸井貫二(ダダカン)関連資料1(1920-1972年発行/発表分)」に4点の資料情報を追加。
・「糸井貫二(ダダカン)関連資料2(1973-1995年発行/発表分)」に4点の資料情報を追加。
・「糸井貫二(ダダカン)関連資料4(2022年以降発行/発表分)」に2点の資料情報を追加。

丸森オープンアトリエ2023

宮城県最南端に位置する丸森町で、「丸森オープンアトリエ2023」というイベントが開催されます。

丸森町には画家の宮城輝夫先生が亡くなった後、多数の作品と蔵書が寄贈されました。また、彫刻家の故・佐藤忠良氏の父親の生家があり、幼少期の一時期、忠良氏も丸森に住んでいらっしゃったそうです。
こういった縁もあり、今回のイベントの副題は、「宮城輝夫と佐藤忠良―空き校舎と地域資源を活かす― 小さな探求文化祭」となっています。
この二人の芸術家の功績を皆であらためて確認しつつ、さまざまな丸森地域資源の活用方法を考える場をつくろう、ということで、東北工業大学生活デザイン学科・生業景デザイン研究所を中心に企画されたイベントです。

このブログ主の鈴木直樹が企画に少し協力しており、10月20日(金)14:00からの「対談1 ミヤテルさんの作品と思想」というセクションで、宮城輝夫先生がどのような画家だったのかを簡単にお話します。
(鈴木は20日(金)、21日(土)は終日会場にいる予定です。)

宮城輝夫先生の代表作ともいえる重要作品の展示を観ることができるほか、絵画の修復・保存の専門家と一緒に宮城輝夫先生の作品の保存状態を確認する勉強会(21日10:00から)、宮城輝夫先生のご家族から寄贈された資料(版画、スケッチ等)の段ボールを実際に開封して展示してみるラボ(21日13:00から)等、趣向を凝らした企画を準備中です。
さらに、20日と21日は、元宮城県美術館副館長・ダダカン連の三上満良さんも会場にいらっしゃって、いろいろとお話してくださる予定なので、楽しく刺激的な時間になることと思います。
会場は、丸森町の中でも中心部からさらに奥地の旧大張小学校と、少しアクセスが大変な場所ではありますが、ぜひ皆さん、足をお運びください。


糸井貫二(ダダカン)関連資料4(2022年以降発行/発表分)

最終更新:2024年2月29日(最新の更新箇所は赤字で記載)
前回更新(2023年5月27日)の更新箇所は青字で記載。
補足:
・自分が現在把握している資料をざっと洗い出したところ、まだまだ多くの資料があるため、今後少しずつ更新して充実させる予定です。
・部屋の中で自分の身体の近くにあって、ある程度記述内容の真偽を確認できた順に資料の情報をUPしていきます。UPする資料情報の順番について、その他に特別な意味はありません。
・本関連資料一覧を作成する上で、上原誠一郎氏提供の労作「ダダカン関連書誌」(管理番号:O-IK-2008-003)が大いに参考になりました。上原さんのご尽力に敬意を表すと共に、感謝を申し上げます。

管理番号 資料名 著者名 出版年 出版者 備考
B-VA-2022-001 ナラティブの修復 清水建人、脇山妙子編 2022 左右社 2021年11月3日から2022年1月9日までせんだいメディアテークで開催された、せんだいメディアテーク20周年記念「ナラティブの修復」展公式図録。P148-157に「ダダカン連(細谷修平、三上満良、関本欣哉、中西レモン)絶対的自由と絶対的肯定の人・ダダカン 糸井貫二の日々~資料アーカイブ構築に向けて~Days of Kanji Itoi, Known as Dadakan: A Man of Absolute Freedom and Absolute Positivity ?For Building His Material Archive」という表題で、展示風景写真、会場で上映された映像のキャプチャ画像、「糸井貫二略年譜」を掲載。■略年譜中、P156に「8月 イトイ父子コラージュ展」(東京電力サービスセンター/東京・目黒)。」と記載されているが、「目黒」は「銀座」の誤りである。P158-171に「展示作家による座談会「近代の自我」という問題──ダダカンを「展示」すること細谷修平×三上満良×関本欣哉×中西レモン」という表題で、ダダカン連の四氏による座談会を掲載。P159、160、162に石川舜への、P160、162、168に宮城輝夫への、P160に増子静への、P160に豊島重之への、P161、169にさいとうよしあきへの、P161、169に上條順次郎・鈴木光一・鈴木征一・永寿日郎への、P162に翁ひろみへの、P168に村上善男への、言及がそれぞれある。P186-187「作品リスト」に「10 ダダカン連(細谷修平、三上満良、関本欣哉、中西レモン)《絶対的自由と絶対的肯定の人・ダダカン 糸井貫二の日々~資料アーカイブ構築に向けて~》(2021年)」の表記と会場平面図掲載。「執筆者略歴」のP191に「ダダカン連」のプロフィール掲載。「謝辞」のP192に青野文昭の、P193に糸井貫二、糸井義朗、天野清子、増子静の名前が記されている。P194「展覧会情報」の「関連イベント 展示作家による作品解説」の「11月21日」に「ダダカン連」の記載がある。
F-IK-2022-001 糸井貫二木版画展」(Gallery TURNAROUND)フライヤー 2022 ダダカン連、一般社団法人戦後芸術資料保存 2022年10月12日から10月22日にGallery TURNAROUNDで開催された同展のフライヤー。A4両面カラー。4点の版画のカラー図版掲載。
F-IK-2022-002 糸井貫二木版画展」パンフレット 2022 ダダカン連、一般社団法人戦後芸術資料保存 2022年10月12日から10月22日にGallery TURNAROUNDで開催された同展のパンフレット。A3二つ折両面カラー。多数の版画のカラー図版、「糸井貫二と同人誌『遊』の俳石版画」と題した、三上満良による解説文、糸井貫二のプロフィール等を掲載。
M-IK-2022-001 芸術新潮 2022年1月号 芸術新潮編集部 2022 新潮社 P132に、小田原のどか「ぐるぐるキョロキョロ展覧会記第19回「3.11から10年」の影に」掲載。2021年11月3日から2022年1月9日にせんだいメディアテークで開催された「ナラティブの修復」展のレビュー。「本展が掲げた「ナラティブの修復」についても、様々な回答が示された。(中略)そしてダダカン連の展示も注視したい。ダダカン連とは、日本各地での前衛活動を経て仙台にたどり着いたダダカンこと糸井貫二の足跡を記録・保存し、紹介していく有志の集団だ。戦後日本美術史の一側面を可視化する試みとしても意義は大きい。」と記載されている。
M-IK-2022-002 美術手帖2022年4月号特集Chim↑Pom 美術手帖編集部 2022 美術出版社 P192-193に、椹木野衣「追悼 糸井貫二ダダカン)」掲載。糸井への追悼文と共に、羽永光利が撮影した「1970年9月20日に「殺すな」の文字を掲げて仙台の自宅付近を歩く糸井貫二」の写真、糸井によるコラージュ作品2点のカラー図版、三上満良が2006年9月10日に撮影した糸井のポートレート写真、糸井の簡単なプロフィールを掲載している。他、「特集Chim↑Pom」の「PART2」の「Keyword3:キュレーション卯城竜太×水野俊紀×久保寛子×涌井智仁×髙木遊新しいキュレーションのかたちとは?」のP95「誌上キュレーション1卯城竜太」において、平井有太の説明文に「インタビューを社会を形成する言葉を集める「socialscape」ととらえ、アントニオ・ネグリダダカン糸井貫二)らに取材。」という文がある。「特集Chim↑Pom」の「PART3」の福住廉「語り直す前衛、爆発する想像力」の年表中、1962年の「英雄たちの大集会」の項目に、「九州派の他、小杉武久刀根康尚風倉匠、千葉英輔、糸井貫二らも参加。」という記載がある。
M-IK-2022-003 Meets Regional2022年6月号第33巻第6号通巻406号昼飲みが楽しい京都。 松尾修平編集人 2022< 京阪神エルマガジン社 P83の「<期間限定連載>バンクシ―って誰? 私の考えるバンクシ―。 第5回鈴木裕之さんイラストレーター」というインタビュー記事において、「では、もし自分がバンクシ―なら?」と尋ねられた鈴木裕之が「大阪万博の時にダダカン糸井貫二)みたいに裸で走るとかしてみたいですね。例えば[POL](谷6のギャラリー/ショップ)の田窪くんとか、自分じゃない別の誰かにお願いしたいです。ミスター・ブレインウォッシュ的に」と答えている。
M-IK-2022-004 トーキングヘッズ叢書(TH Seires)No92アヴァンギャルド狂詩曲~そこに未来は見えたか? アトリエサード 2022 アトリエサード 石川雷太「前線はどこだ?直接行動のアート~D.A.F.、ライバッハ、プッシーライオット、IC3PEAK、中村?、混沌の首 ほか」のP67、「そして、霊的革命へ!―混沌の首」において、2022年8月31日に京セラ美術館で「密教系芸術集団「混沌の首」」によって「生者死者を問わず〈革命者〉と思われる者たちの言葉が集められ70枚のパネルとして展示された」インスタレーション作品の一部として、「ダダカン」の言葉も展示されたことが記載されている。
B-IKIS-2023-001 佐山則夫詩集5滿尿集 佐山則夫 2023 之潮 P4に、本詩集を豊島重之、石川舜、糸井貫二に捧げるとの献辞が記されている。詩「さてさてもわが戀人」の最後の2行(P178)は糸井貫二ダダカン)を連想させる「打打打打肝/駄駄汗完」という言葉である。P180~183の「後書き」に、1969年の「西公園アートフェスティバル」以来の豊島、石川、糸井との思い出や佐山が「勝手に思い描いていた糸井さんとのパフォーマンスプラン」が記されている。
B-IK-2023-001 あさいますお著作集ゲゲの謎 あさいますお著、浅井玉雄編 2023 風媒社 「ゲゲ一号~三号遺稿まで」のP505に1966年9月に発行された「ゲゲNo.3」の目次が収録されており、「イトイカンジ 三千六百五十倍セッケン物エキ 堕々観(その一) 空気裁判」という表記がある。ただ、糸井の文章が掲載されたページは本書には収録されていない。
E-IK-2023-001 糸井貫二木版画 ダダカン連編 2023 一般社団法人戦後芸術資料保存 糸井貫二の制作した、木版画、俳石版画、愛知県美術館所蔵の「光の版画」、俳石のモチーフになった石等のカラー図版を多数掲載。また、「座談 家族から見た糸井貫二」と題した、細谷修平、中西レモンによる糸井の息子と妹へのインタビュー、三上満良による文章「糸井貫二木版画―同人誌『遊』との関係をたどりながら―」等が掲載されている。三上の文章中、P94に「1959年に開催した「イトイ父子コラージュ展」(東京電力サービスセンター/東京・目黒)」と記載されているが、「目黒」は「銀座」の誤りである。
F-IK-2023-001 糸井貫二木版画展」(ギャラリーヤマト)フライヤー 2023 ダダカン連、一般社団法人戦後芸術資料保存 2023年3月6日から3月11日にギャラリーヤマトで開催された同展のパンフレット。A4両面カラー。管理番号F-IK-2022-001のフライヤーと掲載図版は同じであるが、レイアウトや会場情報、裏面の説明文等が多少異なる。
M-IK-2023-001 小説推理2023年7月号第63巻第7号 秋元英之編集人 2023 双葉社 岡本奇太郎の連載エッセイ「芸術超人カタログ」の「第139回 THIS IZ NOT ART」のP253に「同月、銀座4丁目には顔に包帯を巻き、白ふんどしを締め、丸めた新聞紙に赤ふんどしを通して聖火に見立て、走りながらふんどしをわざと落とし、下半身丸出しで逮捕されたダダカンこと糸井貫二がいた。」という文がある。

2023年2月15日公開